繁盛する鍼灸院モデルとは?

下世話な話ですが、みなさんは鍼灸院(鍼灸マッサージ治療院)ってどのくらい稼げると思いますか?

脱サラして鍼灸学校に通う人も多いんだから、きっとそれなりに稼げるんじゃないかと思っている方もいるのではないでしょうか。

実際のところ鍼灸師になってから勤務した場合、大卒のサラリーマンと給料に大きな差はありません。

では開業したらさぞかし繁盛するかというと、これも簡単なことではありません。

「開業して成功できるのは5%程度。クラスで3人か4人いればいい方です」

鍼灸学校の先生が当時よくこのようなことをおっしゃっていました。

たしかに現実的な話かもしれないけど夢がないなぁ・・・なんて私は思いながら聞いていましたが(笑)。

昔は鍼灸師をはじめ、治療院や整体院も数がそこまで多くありませんでした。

だからある意味今の方がよほどライバルは多いし、マーケティングも時代の変化とともに複雑化しています。

Photo MixによるPixabayからの画像

ですから、必ず腕がいいから治療院が繁盛するとはいえない時代なのかもしれません。

しかし、それでも賢い先生方は日々研鑽を積み、知識や技術はもちろん経営していくためのノウハウをちゃんと構築されているようです。

例えば、整骨院などを中心に直営およびフランチャイズで大成功をおさめている企業も複数あります。

一方で、規模は大きくなくても1店舗ないし2店舗の‘THE治療院’でも大繁盛するモデルがあります。

その流れはどんなものかというと、

まず、患者さんを診察する1人ないし2人程度の主となる鍼灸師の先生が見立てをし、

5~6台のベッドに患者さんを案内しスタッフがマッサージをします(15分から30分程度)。

この時点でマッサージしてもらえるので、満足度は高まります。

それから鍼灸師の先生が回ってきて鍼を刺す。

置鍼(ちしん)している間にアシスタントは他の方をマッサージして回る。

その後時間が来たら必要に応じてアシスタントが鍼を抜く(場合によっては灸もする)。

次は仰向けまたは横向きになっていただき必要に応じて少しマッサージ➡先生が鍼(逆のパターンもあり)

このような形で40分~60分ほどで施術を終えますが、1時間ほどで同時に5~6人はみれますから、かなり効率がいいと言えます。患者さんの満足度も高い(私もよく受けに行きました)

8時間営業すれば40人~50人くらいですので、単価が5,000円~10,000円程度だとしても1日の売上としては20万~50万。25日営業すれば・・・

このような診療の流れですが、ある時期多くの高名な先生方が同じようなシステムで営業されていました。

実はこのシステムが素晴らしいのは売上だけではありません

他にも3つのメリットがあると私は分析しています。

①忙しい高名な先生に対して、1人に対して時間をかけてしまうと、1日に何人もみれませんが、このシステムなら一日に大勢の患者さんを診ることができる➡患者さんとしては予約がより安いし早く治るからありがたい

②お弟子さんやスタッフが先生の施術の見立てや技術を学ぶことができる

③お弟子さんやスタッフが辞めても担当制でないためさほど影響がない(求人も比較的みつかりやすい)

いかがでしょう?

すごいシステムだと思いませんか?

だってコレ、置鍼(ちしん:鍼を刺して赤外線か遠赤外線などをあてながら10分から20分ほどそのままにしておく方法)がある鍼灸だからできるモデルなんです。

acupunturacomunitariaによるPixabayからの画像

とはいえ、当たり前ですが、

現実はそんなに甘くはありません(笑)。

やはりこのシステムで営業を続けていくには、メインの先生にきちんとした実力があることが大前提になります。

また、ちゃんと一人の先生にはじめから終わりまでみてもらいたいという人には向いていないためそういった方々の需要は得られないでしょう。

同様に施術者としても、ちゃんと自分で一人の患者さんと向き合いたいとか、鍼や灸の抜き刺しも自分でやりたい、弟子やスタッフに技術を伝えたくないという方には向かないシステムと言えるでしょう。

鍼灸師に限った話ではありませんが、いい施術やサービスで患者さんやクライアントのお役に立ちたいと思っていても、その患者さんやクライアントが来てくださらなければ腕の振るいようがありません。宝の持ち腐れというやつです。

そうならないためにも、きちんと世の中の流れにアンテナをはりつつ、

自分のスタイルを貫いていく方法を模索していく必要があるのでしょう。

私も日々現状を見直し、一人の施術者としてはもちろん、経営者として未来を考えています。

まぁ難しく考えてもきりがありませんから、できることからコツコツやっていくしかありませんよね。

最近は、同業者(治療院)というよりも、リラクゼーションサロンの経営者といろんな話を共有していきたいな、と思っています。

よかったらお声がけくださいね!お待ちしております。