昔と違ってコンビニよりも巷に溢れているのが、治療院やリラクゼーションサロン、整体院です。
歯医者さんもやはりたくさんあるなぁという印象がありますが、
どうしても私は同業者の方に意識が行ってしまっています。
さて、みなさんは治療院とリラクゼーションサロン(以下、リラクサロン)の違い、わかりますか?
こうやって言葉に出せばなんとなく、
治療院って痛みや不調をなんとかしたい患者さんが治療をするところで、
リラクサロンは心身のリラックスのための場所といったイメージになるのではないでしょうか?
でも実際のところご利用の方の多くは、そこまで線引きしていない方もいらして
「肩や腰、くびがつらいから何とかして!」
といった感じでリラクサロンをご利用の方も多いですし、
整骨院なんかは昔と違って(地域によるようです)外傷(怪我)の患者さんばかりというよりも、整体やマッサージを主としているところも多いようです。
そうするとね、いよいよどっちがどうなんだかわからなくなってしまいます。
でも一つだけ、治療院とリラクサロンにおいて決定的に異なるのが
治療院の場合は、患者さんにある程度協力してもらう必要があるということです。
どういうことかというと、難しい症状を治したいケースでは
来院する回数や時間、費用面の負担とともに
施術後の経過や現状をきちんと施術者に伝えることが求められます。
もちろんそのためにインフォームドコンセントが必要ですから、きちんと説明をし
理解してもらえるように施術者は努めなければいけません。
しかしこれが、理想的な間隔で施術できなかったり、ご自分の状態をはっきりと伝えていただけないといったことがあると、なかなかいい施術や指導ができません(あくまで難治性のケースですが)。
もちろん患者さんにもご都合がありますから無理は言えません。
だからこそお互いに歩み寄る必要があります。
うちの場合は、施術料金を大幅に下げたり、予約枠を時間外に入れるなどで対応します。
施術のスパン(間隔)というものは絶対ではありませんが、
過去の経験からどのようなケースで悪化しやすいか、改善しにくいかということを学び得ていれば、先手先手でアプローチしていくことが可能です。
難治性のケースでない場合は、施術直後に一気に改善されることで意図した自分の手技が患者さんを治癒に導けていることが往々にして確信できるものです。
しかし、一度ではどうにもならないケースの場合、少しの改善や変化、心身に表れる機微を見逃さずにさじ加減していくことが治癒に導く近道です。
要は、治療院の場合は、施術者と患者さんとの共同作業が必須のケースがある、ということです。
もちろんお話できない方は脈や舌、触診からの情報を元に、お子さんであれば親御さんからお話をうかがうことが可能です。
一方で、リラクサロンのケースではセラピストに安心して身をゆだねていただくことで、最高の施術を提供することができます。
あまりに疲労が著しいようでしたら、あまり間隔を開けすぎずにご来店をおススメするケースもありますし、マネジメントはお客様のためにも大切です。
施術者がどう思っても最終的には患者さんやお客様が決めることですから、あとはそれに応じてこちらはベストを尽くすしかありません。
しかし時には、施術者側も、双方にとって利益がないと判断すれば、お断りするということも頭の片隅には入れておかなければいけないのかもしれません。
このようなこともふまえて、
患者さんとお客様が治療院やサロンを選ぶように、
今後はますます治療院やサロンもお客様を選んでいかなければいけない時代なのでしょう。